サンキューハザードは出すべきか?出さないと失礼なのかを運転歴30年以上の視点で解説

こんにちは、くまおです。

運転していると、たまに迷う場面があります。

車線変更で譲ってもらった。
合流で入れてもらった。
後ろの車が、わざわざ車間を空けてくれた。

そのあとにハザードをチカチカっと出す。

いわゆる、サンキューハザードです。

これ、出すべきなのか。
出さないと失礼なのか。
出さなかったら、後ろの車にイラッとされるのか。

気になる人は多いと思います。

わたしも仕事柄、いろいろな車に乗ってきました。
タクシー、トラック、運転代行。

運転だけで30年以上やっていると、きれいごとだけでは済まない場面を何度も見ます。

ハザードを出しているのに、運転が雑な車。
ハザードは出さないけれど、入り方がきれいな車。
強引に割り込んで、最後にチカチカだけで済ませる車。

路上では、そういうのが全部見えます。

わたしの考えはこれです。

前を見たまま押せるなら、短く出す。
探すくらいなら、出さない。
入ったあとは、譲ってくれた車の前で邪魔をしない。

これでいいです。

サンキューハザードの話は、どうしてもランプの点滅に寄ります。
でも、本当に見られているのはそこではありません。

譲られたあとの走り方です。


目次

サンキューハザードは義務ではない

まず、ここははっきりさせます。

サンキューハザードは義務ではありません。

出さなかったから違反。
出さなかったから失礼。
そう決まっているものではありません。

ハザードランプは、本来「ありがとう」を伝えるためのランプではありません。

故障、停車、危険を知らせる場面などで、周囲に注意を促すためのものです。JAF Mate Onlineでも、サンキューハザードについて「ありがとう」と「緊急時」という相反する意味を持たせる難しさに触れ、ハザードランプは本来の目的で使うべきだと説明しています。

とはいえ、実際の道路では、合流や車線変更で譲ってもらったときのお礼として使われています。

法律で決められたお礼ではない。
でも、道路では習慣として広まっている。

この位置づけです。

だから、出せなかったからといって自分を責めなくていいです。

前を見ていた。
ハンドル操作に集中していた。
合流後に流れへ戻ることを優先した。

それなら、何も悪くありません。


サンキューハザードは違反になるのか

「サンキューハザードは違反なのか」

これもよくある疑問です。

サンキューハザードを出しただけで、すぐ違反になるとは言い切れません。

警察庁交通局は過去の取材に対し、ハザードランプを道路交通法施行令に定められた方法以外で使用しても、直ちに違法とは解されないという趣旨の回答をしています。

ただし、ここで勘違いしてはいけません。

「すぐ違反ではない」
これは、
「どこでも好きに使っていい」
という意味ではありません。

ハザードを見た後ろの車は、こう考えることがあります。

止まるのか。
故障なのか。
前に危険があるのか。
それとも、お礼なのか。

受け取る側が迷うこともある。

だから、違反かどうかだけで考えると危ないです。

見るべきなのは、

前方確認が薄くならないか。
後ろの車を迷わせないか。
次の操作が遅れないか。

ここです。


サンキューハザードは何回点ければいいのか

出すなら、2回か3回で十分です。

チカ、チカ。
それで終わり。

長く点ける必要はありません。

気持ちを込めようとして、いつまでもチカチカさせる人がいます。
でも、長いハザードは後ろの車を迷わせます。

止まるのか。
何か危険があるのか。
故障なのか。

そう見えることがあります。

お礼のつもりで、相手の判断を乱したら意味がありません。

サンキューハザードは、長ければ丁寧というものではありません。

短く。
すぐ前を見る。
すぐ流れに戻る。

これくらいでいいです。


ハザードより大事なのは、譲られた後の走り方

ここが一番大事です。

譲った側が一番うれしいのは、ハザードを見ることではありません。

入れたあと、前の車がちゃんと流れに戻ることです。

せっかく車間を空けた。
ブレーキも踏んだ。
流れを少し落として入れてあげた。

それなのに、前に入った車がモタモタ走る。

これが一番しんどいです。

後ろの車からすれば、

「入ったなら、ちゃんと行ってくれ」

となります。

ここでいう「行ってくれ」は、急加速しろという意味ではありません。

アクセルをガンと踏めという話でもありません。

必要な速度まで、なめらかに戻す。
後ろに余計なブレーキを踏ませない。
譲ってくれた車の流れを切らない。

これが、路上では一番のお礼です。

ハザードを出しながらモタモタする。
これは、お礼になっていません。

チカチカ。
でも遅い。
後ろは詰まる。

それなら、ハザードを出さずに流れへ戻ったほうがいいです。


譲った側が見ているのはランプではない

昔、トラックで走っていたときの話です。

前に入れてやった車が、ハザードを出しました。
そこまではいい。

でも、そのあとが遅い。

前は空いている。
流れもある。
なのに、なかなか速度が戻らない。

こっちは大きい車です。
一度流れを落とすと、普通車みたいに軽く戻せません。

だからこそ、前に入った車には、普通に走ってほしい。

そのとき思いました。

ハザードは出ている。
でも、お礼にはなっていない。

譲った側が見ているのは、ランプではありません。
そのあとの車の動きです。

スッと入る。
車線の中に車を置く。
必要な速度まで戻す。
余計なブレーキを踏まない。

これができている車は、ハザードがなくても嫌な感じがしません。

逆に、ここができていない車は、ハザードを出しても雑に見えます。


ハザードはお詫びのサインではない

ここは強く言います。

強引に割り込んでから、ハザードを出せば済む。

これは違います。

急に入る。
相手に強くブレーキを踏ませる。
入ったあとも遅い。
最後にチカチカ。

これで許されたと思っているなら、かなり危ないです。

ハザードは、お詫びのサインではありません。

後ろの車は、ちゃんと見ています。

「今の入り方は雑だったな」

そう感じています。

雑な運転は、ランプでは消えません。

車間を読まない。
速度差を見ない。
ウインカーが遅い。
入ったあとに流れへ戻らない。

これをやっておいて、最後にハザード。

それは、お礼ではなく後始末です。

本当に大事なのは、ハザードで謝ることではありません。
ハザードで謝らなくて済む入り方をすることです。


合流や車線変更で譲られたときのサンキューハザード

サンキューハザードを出してもいい場面はあります。

相手が、はっきり譲ってくれたときです。

渋滞の合流で、後ろの車がスッと止まってくれた。
車間を空けてくれた。
パッシングで「どうぞ」と出してくれた。
こちらが入れるように、明らかに待ってくれた。

こういう場面では、短くハザードを出す意味があります。

相手も、わざわざ譲っています。
そこに何の反応もないと、少し寂しいと感じる人もいます。

ただし、ハザードを出したら終わりではありません。

譲ってもらった。
入った。
ハザードを出した。
そのあと遅い。

これでは弱いです。

サンキューハザードは、お礼の最後に添えるものです。

お礼の本体は、きれいに入って、流れに戻ることです。


サンキューハザードを出さないほうがいい場面

わたしなら、こういう場面では出しません。

ハザードスイッチの場所がわからない。
押すために手を伸ばさないと届かない。
合流した直後で、まだ車が安定していない。
前の車が詰まっている。
交差点の中。
カーブ中。
車線変更のあと、すぐ次の判断が必要。
押すと前を見る時間が削られる。

こういうときは、出しません。

礼儀より安全です。

サンキューハザードを出すために、前方確認が薄くなる。
これは順番が逆です。

たった一秒でも、車は進みます。

押すために目線が落ちる。
手が泳ぐ。
体が少し傾く。

その間に、前の車が減速するかもしれません。
歩行者が出るかもしれません。
信号が変わるかもしれません。

それなら、出さない。

これは無礼ではありません。
運転の判断です。


サンキューハザードを出さないと失礼なのか

出さないから失礼。

そう決める必要はありません。

安全のために出さなかった。
前方確認を優先した。
慣れない車でスイッチを探さなかった。
入ったあと、流れに戻ることを優先した。

これは、ちゃんとした判断です。

むしろ、雑に入ってハザードだけ出すほうが失礼です。

路上では、言葉が使えません。

だから、車の動きに人柄が出ます。

丁寧な人は、入る前から丁寧です。

早めにウインカーを出す。
車間を読む。
相手が減速してくれたのを確認する。
入ったあとに流れへ戻る。

ここまで含めて、お礼です。

ハザードは最後のおまけです。


サンキューハザードを出さないとあおられるのか

ここを心配する人は多いと思います。

サンキューハザードを出さなかったら、後ろの車に怒られるのではないか。
パッシングされるのではないか。
あおられるのではないか。

この不安です。

ただ、冷たいようですが、あおる人はハザードを出してもあおります。

入り方が気に入らない。
速度が気に入らない。
車間が気に入らない。
そもそも荒い。

そういう人はいます。

だから、あおられないためにハザードを出す、という考えに寄りすぎないほうがいいです。

そこに運転を預けると、こっちの動きが小さくなります。

では、どうするか。

早めにウインカーを出す。
入る前に速度を合わせる。
相手が減速してくれたら、迷わず入る。
入ったら、なめらかに流れへ戻る。
余計なブレーキを踏まない。

このほうが効きます。

普通のドライバーが見ているのは、チカチカより入り方です。

ハザードがないから怒る人もいるかもしれません。
でも、入り方がきれいなら、そこまで荒れません。

逆に、入り方が雑なら、ハザードを出しても荒れます。

チカチカで人の感情を全部消せると思わないほうがいいです。


「お礼の押し売り」になっていないか

サンキューハザードを出す人の中には、少し勘違いしている人もいます。

「自分はお礼をした」
「これで礼儀は済んだ」
「だから大丈夫」

そう思ってしまう。

でも、相手が欲しいのは、こちらの自己満足ではありません。

夜のハザード。
雨の日のハザード。
距離が近いときのハザード。
長く点けっぱなしのハザード。

後ろの車からすると、まぶしいこともあります。
止まるのかと迷うこともあります。

お礼のつもりで、相手を困らせている。

これでは意味がありません。

JAF Mate Onlineの調査では、道を譲ってもらったときなどにサンキューハザードを使うと答えたJAF会員は85.6%でした。かなり広まっている習慣です。ただ、同じ調査記事では、サンキューハザードに戸惑う声も紹介されています。広まっているからといって、全員に同じ意味で伝わるとは限りません。

路上の思いやりは、ランプの回数ではありません。

相手にブレーキを踏ませない。
相手の流れを切らない。
相手を迷わせない。

このほうがずっと大事です。


譲られたあとの3秒で印象は決まる

譲ってもらったあと、後ろの車は見ています。

ちゃんと入るか。
ふらつかないか。
急にブレーキを踏まないか。
流れに戻るか。

ここでモタモタすると、ハザードを出しても印象は悪くなります。

入った。
遅い。
ふらつく。
ブレーキを踏む。

これでは、後ろの車は迷惑です。

逆に、

スッと入る。
車線の中に車を置く。
必要な速度までなめらかに戻す。

これができれば、ハザードがなくても荒れにくいです。

譲られたあとの3秒。

ここに、運転のうまさが出ます。


初心者はサンキューハザードより前方確認

初心者の人ほど、サンキューハザードを気にしすぎることがあります。

出さないと怒られるのではないか。
感じ悪いと思われるのではないか。
後ろの車にあおられるのではないか。

その気持ちはわかります。

でも、初心者がまずやることは、ハザードではありません。

前を見る。
速度を合わせる。
車線の中に車を置く。
早めにウインカーを出す。
ミラーを見る。
無理に入らない。

こっちです。

レンタカーや代車も同じです。

ハザードスイッチの場所がわからないまま、走りながら探す。
これは危ないです。

手探りでスイッチを探している間も、車は進んでいます。

慣れない車なら、無理に出さない。

その代わり、入ったあとにモタモタしない。
流れを乱さない。
変なブレーキを踏まない。

初心者ほど、ここを守ったほうがいいです。


くまお流・サンキューハザードの判断基準

わたしなら、こう考えます。

前を見たまま押せるなら出す。
探すなら出さない。
入ったあとは流れに戻る。

これです。

相手がはっきり譲ってくれた。
ハザードスイッチがすぐ押せる場所にある。
前方確認を切らさずに出せる。
車が安定している。

この条件なら、短く2回。

でも、

ハザードスイッチが遠い。
慣れない車に乗っている。
前が詰まっている。
カーブ中。
交差点内。
合流直後でまだ車が安定していない。
押すと前を見る時間が削られる。

こういうときは出しません。

礼儀より安全です。

その代わり、入ったあとはきちんと流れに乗る。
後ろを邪魔しない。
余計なブレーキを踏まない。

これをお礼にします。


よくある質問

サンキューハザードは出すべきですか?

余裕があるなら、短く出してもいいです。

ただし、無理してまで出すものではありません。

押すために前方確認が薄くなるなら、出さないほうが安全です。


サンキューハザードは違反ですか?

出しただけで、すぐ違反とは言い切れません。

ただし、本来の使い方とは違います。

違反かどうかより、後ろの車を迷わせないかを先に見たほうがいいです。


サンキューハザードは何回がいいですか?

2回か3回で十分です。

長く点ける必要はありません。

長いハザードは、停止や故障と勘違いされることがあります。


サンキューハザードを出さないと失礼ですか?

失礼とは限りません。

安全のために出さなかったなら、それは正しい判断です。

出さないことより、雑に入ることのほうが失礼です。


初心者もサンキューハザードを出すべきですか?

無理に出さなくていいです。

初心者は、まず前方確認と車線変更の安定が先です。

ハザードを探して前を見る時間が減るなら、出さないほうが安全です。


まとめ

サンキューハザードは、出せるなら出してもいいです。

でも、無理してまで出すものではありません。

余裕があれば、短く2回。
余裕がなければ、出さない。
その代わり、後ろを邪魔しない走りに集中する。

これでいいです。

ハザードより大事なのは、流れに戻ることです。

譲ってくれた車の前でモタモタしない。
急に割り込まない。
入ったあとに余計なブレーキを踏まない。

これが一番のお礼です。

サンキューハザードは、あくまでおまけです。

運転が丁寧な人は、チカチカの前から丁寧です。
運転が雑な人は、チカチカしても雑です。

まず前を見る。
入る前に整える。
入ったら流れに戻る。
余裕があれば、短く返す。

サンキューハザードで悩むなら、ここだけ覚えておけばいいです。

前を見たまま押せるなら出す。
探すなら出さない。
入ったあとは流れに戻る。

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